【好奇心刺激しまくり】ヒトの脳はなぜでかい?『禁断の進化史』で知る人類進化の謎

はじめに

なぜ人間だけ、こんなに特別な存在なのか考えたことはありませんか?

食物連鎖からもハズレ、地球上の覇者となった人間(ホモ・サピエンス)

その秘密は、脳にあります。なぜ人間の脳がこれほどまでに発達したのか?その謎に迫る旅に出ませんか?

《こんな人におすすめ》

  • 教養を身に付けたい人
  • これまで知らなかったジャンルに興味がある人
  • 面白い小ネタを仕入れたい人

この本を読もうと思ったきっかけ

更科さんが以前書いた「絶滅の人類史」と言う本を読んで、人類の進化、ひいては生物の進化についてすごく興味を持つようになった。

そのきっかけをくれた本の著者が書いた新刊であれば、読むしかないだろう!と言うことで、読んだ。

絶滅の人類史、もすごくおすすめです。

書籍の概要・要点

ヒトは明らかに他の生物とは一線を画す生物だ。

地球上で唯一ヒトだけが高層マンションを建てることができ、宇宙にも行くことができるようになった。

人間に比べれば、人に最も近いと言われるチンパンジーですら、大したことはできない。

せいぜい木の枝を道具として使って、シロアリをほじくって食べる程度のことだろう。

では、なぜ他の生物とヒトとの間にこれほどまでの差が生まれることになったのか?

なぜヒトは知性を得るに至ったのか?

その謎を進化の過程を辿ることで明らかにするのが本書のテーマの一つ。

もう一つのテーマは「意識」

ヒトは、高い”知性”を持つと同時に”意識”を持っている。

意識はなぜあるのか?どんな条件で意識は宿るのか?

意識については、まだわかっていないことが多い。

もし、iPS細胞で完璧な脳が作られたら、その脳は意識を持つのか?培養液に浸されているだけの脳は、意識を持つことになるのか?

最新の研究を引用しつつ、なぜ意識を持つに至ったのか?なぜ意識を持つことになったのか?を解き明かしてくれる。

ヒトの脳みそは、なぜでかいのか?

ヒトが他の生物と明らかに異なるのは「脳の大きさ」だ。

他の生物と比較すると、体のサイズに対しての脳みそがアホほどでかい。

そして、その脳みそのおかげで、思考することができ、言葉も操り、他者と協力することで、これだけの文明を築き上げてきた。

ヒトが知性を獲得してきた歴史は、すなわち、脳が大きくなってきた歴史だ。

本書の前半では、どのようにヒトの脳が巨大化してきたのかを解き明かす。

霊長類の中での知性の順位

霊長類の中でも、知性が高いものとそうでないものがいる。

その差は食べ物によって生じる。

果物を食べる霊長類は、知能が高くなる。

なぜなら、果物を食べるためには、覚えておくことがたくさんあるからだ。

果物は、ある一定の時期にしか実らない。そして、時期も限定的だ。

だから、果物でエネルギーを摂取しようと思ったら、どの果実がどの時期にどの場所で実るのか?を記憶しておく必要がある。

そうなると、必然的に脳も大きくなってくる。覚える必要があるから、脳が機能を持つようになる。

一方で、葉を食べる類人猿は、そこまで知性が高くない。

葉は年がら年中、どこででも手に入るからだ。

葉を栄養にする場合は、そこまで覚えておくことがない。

だから、脳も大きくならない。

そして、脳の大きくなる要因のもう一つは、睡眠だ。

オランウータンやチンパンジーなどの大型の類人猿は、樹の上に寝床を作ってぐっすり眠る。

一方でヒヒは、そこそこ体が大きいが、樹の上で座ったまま眠る。

睡眠の質が良いのは、もちろんオランウータンやチンパンジーだ。その上質な睡眠を取れるようになったことが、脳を休め知性を持つことができるようになった。

ヒトの脳がデカくなった要因

さて、ここまでは霊長類全般の脳の大きさの話だった。

ここからは、ヒトがなぜ特別これだけの脳の大きさになったのか。と言う話をする。

人の脳みそがデカくなり始めたのは、今から250万年前ほどらしい。

人間は700万年前にチンパンジーとの共通祖先と枝分かれしているから、そこから450万年ほどは脳の大きさは大して大きくならなかった。

それがあることをきっかけに、脳のサイズがどんどん大きくなることになる。

それは、肉食をできるようになったこと。

250万年前に生きていたホモ・エレクトスたちは石器を扱うことができるようになり、効率的に肉を食べることができるようになった。

この肉食により、エネルギーを十分に脳に回すことができるようになった。そして、脳がデカくなればよりたくさんの肉が手に入るようになり、さらに脳をデカくすることができる。

そのサイクルに入ったことで、脳のサイズがどんどん大きくなった。

火を扱えるようになり、エネルギー的にも時間的にも余裕ができることになる。

生で肉を食べる場合と、火を通した肉を食べる場合を考えてほしい。

どちらの方が、より短時間で楽に食べ切れるだろうか?

どちらの方が、より短時間で楽に体内で消化して、エネルギーを吸収しやすいだろうか?

もちろん、火を通した場合だ。

火を通すことによって、本来であれば自分の体で処理しなければならなかった工程を省くことができるようになった。

本の中の表現を借りるならば、火は体の外にある消化器官なのだそうだ。

そうして火を通すことによって、より効率的にエネルギーを摂取することができるようになり、空いた時間でヒトとヒトの交流をする時間が生まれたり、芸術的なことに時間を向けたりする余裕ができてきたんじゃないか?

それによって、より脳が大きくなることにつながった。という。

“意識” については、次の記事でまとめることにする。

読んでみての感想

生物は、不必要なことはしないという優れた能力を持っている。

例えば、今回紹介した葉を食べる霊長類は、果物を食べる霊長類と比べて知性が低いと言う件。

果物を食べる霊長類の方が知性が高いのは、負荷のかかることをする必要があるから、しょうがなく知性が高くなっている。

葉を食べる霊長類は、必要がないから知性を高くしてこなかった。

葉を食べれば十分生きていけるのに、下手に知性を身につけてしまったら余計にエネルギーを消耗するから損である。

と言うことは、その個体の知性が何によって決まるか?といえば、生きるために必要な状況や環境だろう。

成長したいと思うのなら、その必要がある場所に身を置かねば無理だと言うのが、このことからも言えるかもしれない。

まとめ

人類の進化は、面白い。

意識についての記事はこちら(執筆中)

記事執筆者紹介

30代男。本のジャンルは問わずに雑食系だが、生物の進化や健康系の本が好み。

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