『ネアンデルタール人が絶滅した理由とは?』ホモサピエンスとの差はなんだったのか?「ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた」

・ネアンデルタール人がなぜ絶滅したか?の謎に迫る一冊
・ネアンデルタール人が絶滅したのは約4万年前と言われている
・この時期は大寒気が訪れていたことがわかっている(花粉の化石とかから判断できるらしい)
・ネアンデルタール人は、大寒気の影響で絶滅したのか?
・それまでにもネアンデルタール人は同程度の寒気を乗り越えてきた経験もあり、気候変動だけで絶滅したとは考えにくい
ちなみに、この時の寒気とは、ヨーロッパの中部で現在よりも10-15度ほど平均気温が低かったらしい(GPT回答)
そのような期間が数百年〜千年単位で続いたらしい
・では気候変動だけの要因で絶滅したのではないとしたら、何が彼らを絶滅に追いやったのか?
・ちょうど、ネアンデルタール人が絶滅する5000年ほど前にアフリカからヨーロッパに生息域を広げた生き物がいた
それがホモ・サピエンス
・ホモサピエンスがヨーロッパに侵入してきた結果、ギルド(同じ獲物を食料とする集団)内での競争圧力がかかり、結果としてネアンデルタール人は絶滅したと考えられる
・しかし、ホモサピエンスと同様にホモ属に属するネアンデルタール人が絶滅した理由は何か?何がホモサピエンスとの差だったのか?
・基礎代謝の差
狩猟スタイルの差 が異なるポイントとして挙げられる。
・基礎代謝の差
ネアンデルタール人は寒冷地に適応してきたため、基礎代謝がホモサピエンスに比べて高かった。その分日々摂取する必要のあるエネルギー量が多くなった。
また、ホモサピエンスの場合は狩猟した動物の骨を使って針を作ることによってより性能の良い防寒具を作ることができたが、ネアンデルタール人は針を作ることはなかったという。
狩猟スタイルの差
ネアンデルタール人は獲物を待ち伏せをして棍棒などを使って少人数で倒すスタイル。
ホモサピエンスは、投擲機(アトラトル)を使って遠くから獲物を仕留めるスタイル。これによって狩猟の成功率が大きく変わり、また狩猟の危険度も異なった。
・今回の著書で挙げられているのが、家畜化されたイヌの存在の差
これまでは1万年ほどまえに家畜化されたと考えられていたイヌだが、最新の研究でイヌの家畜化はもっとずっと早い段階で行われており、少なくとも3万5千年前にはイヌの家畜化が行われたことが明らかとなった。
・イヌを家畜化したことによって、ホモサピエンスは食料の確保という面で大きなプラスを得られた
- 足の速い獲物の足止めをイヌがしてくれる
- 獲物を奪われそうになったらサピエンスに知らせる
- 嗅覚を使って獲物の場所を探知する
など、それまでのサピエンスだけではできなかったことを代わりにイヌがしてくれるようになったことで、狩猟の成功率も高まり、獲物を他の動物たちに奪われることも少なくなった。
・ネアンデルタール人はただ肉弾戦を仕掛けていたのに対して、サピエンスは他の動物の力も借りてどんどんその狩猟スタイルを洗練させていくことができた。